シンジきゅん受け系SSまとめ

リツコ×シンジ 4

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matome_x_shinjikyun

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「誰かにシンジ君程の容姿ならお金を払ってでも
  性的に構いたくなるのは判るけれど……でもね、
  それは誰かが貴方の心に興味を持ったという事には繋がらないの。
  覚えておいた方が良いわ」
 派手な看板には飲み放題が幾らでどんな服装の女性が居るかばかりが書かれている。
 絶対にその職には就いていなさそうな女性が必死に少人数で歩いている異性に
 声を掛けて店に引きずり込もうとしている。
 未だ幼いシンジの目線からではとても綺麗に見えない光景だが、
 シンジ自身はそれ以上に醜い行為を働いていた。

「……そうですね。それが言いたくて僕を買ったんですか?」
「まさか。叱りたいだけならどこででも出来るじゃない」

 1度後ろを向いて、リツコはすぐに視線を前に戻す。
 シンジが急いで目を逸らした為に視線は合わなかった。

「ねぇ、シンジ君以外にも男の子がお客を待ったりするの?」
「え、と……」

 この状況下で自分は働いていない、なんて言えるわけがない。
 周りの喧騒以外に2人の間に音は無い状態が数秒続いたが、シンジは口を開く。
「聞いた話ではいるそうですよ。僕は見てないんですけど、
  髪が長くて女の人の格好をした人がいたらしくて。
  何でも年が40歳過ぎに見えたとか…
 …後、背の高い男の人が火曜日と木曜日だけに来るって聞きました」

 水曜か金曜が祝日でない限りはシンジがその男性と鉢合わせる事は無い。
 当分顔を見る予定が無さそうだ。

「その人はシンジ君みたいに男性の格好のままなのかしら?」
「さぁ……その人は女の人の格好していた、とは聞いていないから、
  多分そうだと思いますけど」
「体を売る男性は女性の格好をする、という決まりは無いのね」

 一応シンジは自分なりに少し女性を、女装を意識した服装をしているつもりだった。
 買い物を楽しむ趣味は無いが、この仕事で手に入った服で汚れても、
 汚されても良い服を買うようにしている。
 今日の服もその1つで、適当に入った店で店員が
「女性にも人気のデザインですよ」と営業をしてきたのでその場で購入した。

 どちらかと言うと小柄で、誰から見ても細身のシンジには少し大き過ぎる。
 膝下丈のパンツにスニーカー、何より小奇麗に短い髪型の所為で
 女装しているようには見えない。
 やはり遅れながらに思春期を迎え始めたシンジに女装は抵抗が強い。
 以前客が用意して無理矢理着せてきたスカートは恐怖と羞恥の対象だ。

「……男娼まがいの仕事を辞めろとは言わないわ。
  お金に困っているなら相談してもらいたかったけれど、
  自分で稼ぐというのも大事な事だし。
  ただね、シンジ君位の年頃の男の子ならセックスしてお金が貰えるなんて
  幸せと思っているのかもしれないと考えると……
  それは間違いだと口を出したくなっちゃって。オバサン臭いかしらね」

 小さく笑うとリツコは続けた。ほんの少し、声を低くして。

「セックスは気持ち良いだけじゃないのよ。
  きっともう多少の嫌な思い位しているんでしょうけれど。
 ……愛が有っても辛い時が有る位なんだから。
 ……とにかく、こんなオバサンじゃ嫌かもしれないけれど、
  お客として買わせてもらったんだから、我慢して頂戴ね。
  これも嫌な思いの一環として」

「あの……リツコさんは、若いと、思いますけど」
「お世辞が上手ね」

 何と言って良いのかわからず、取り敢えず口から出たシンジの言葉。
 それに対し、どちらかというと皮肉を吐いたリツコが立ち止まった。
 1歩遅れてシンジもその場に止まる。





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