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ひとり

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ひとり ◆h3Q.DfHKtQ


 何故、闘っているのか。
 拳。
 わからない。
 蹴。
 こんな場所で。
 足。
 強くはなりたかった
 打。
 蹴。
 誰よりも強く。
 痛。
 拳。
 先輩がやくざに刺されたあの日から。
 拳。
 足。
 蹴。
 自分の内なる獣が目覚めたあの日から。
 拳。
 打。
 痛。
 何で、こんなところにいるんだろう。
 こんなところで、おれは何をやっているんだろう。
 恨みも何もない。
 俺は何故こいつと殴り合ってるんだろう。
 足。痛。拳。打。蹴。
 肘。拳。膝。顔。腹。
 肩。顔。顎。顎。顔。
 馬鹿じゃないのか。
 一体、何やってるんだ。
 痛。
 顔。
 肘。
 知らない間に、おれは、こんなところへ来て、こんなことをやってる。
 足。
 拳。
 打。
 拳。
 打。足。
 蹴。腹。膝。
 肘。顔。打。拳。
 打打打。
 蹴蹴蹴。
 顔腹顎。
 足拳膝。

男がいた。
二人の男である。
白人と日本人の二人である。
それが殴り合っている。

血液。
汗。
血液。

それが飛んでいる。
飛散している。

拳が、
顔に、腹に、
足が、
膝に、腹に、
刺さっているのである。
めり込んでおるのである。

二人とも真っ赤であった。
自分の血で。
相手の血で。

そんな時であった。
白人が日本人の側頭部を
ぼすん――――

 何だ。
 何があった。
 意識がぶっ飛んでいたみたいだな。
 糞。
 休まない奴だ。
 馬鹿みたいなスタミナを持ってやがる。
 肘。
 ぼくん。
 鼻。
 みちっ。
 このやろう。
 めちゃっ。
 めじっ。
 ぐどっ。
 ぼくっ。
 どちゃっ。
 びばっ。
 だくん。
 ぼなっ。
 ごすっ。
 ごすっ。
 顎をやられた。
 かつん。
 歯と歯が当たった。
 首が回転する。
 めちっ。
 頚骨がねじれる。
 ごじっ。
 ごじっ。
 糞。
 コイツ一人にダメージを喰らいすぎた。
 いや、でもいいか。
 後のことなんか考えずに、ここでおもいきりやっちまって。
 馬鹿。
 冷静になれ。
 戦略を──

(痛!)
(痛!)
(痛!)
「やったな」
 拳(ぼくん)。
 足(どしゃっ)。
 肘(めじっ)。
 膝(めきょっ)。
 打。打。打。打。打。
 殴。殴。殴。殴。殴。
 蹴。蹴。蹴。蹴。蹴。
「糞っ!」
 知るか。
 戦略だと。
 戦略は、この男をぶちのめすことだ。
 そのために、おれの残った体力全てをここで捧げなきゃあいけないってんなら、
そりゃあそれでいい。
「かああっ!」
 狂。
 狂。
 狂。
 狂。
 打。打。打。
(はっ)
(はっ)
(はっ)
(ふう)
(ふう)
(ふう)
 耳が真っ暗だ。
 目が聴こえない。
 味がまっ赤だ。
 感触が甘い。
 聴こえるのは匂いだ。
 背骨で考えろ。
 尻で思え。
 歯で哭け。
 脳で蹴る。
 おれは拳だ。
 おれで思え。
 おれで哭け。
 おれで蹴れ。
 おれでおれ。
 おれは尻だ。
 背骨はおれだ。
 背骨は、
 おれは、
 おれの、
 おれ、
 お、

(痛!)
(痛!)
(痛!)
 まだ立って骨か。
 あの尻め。
 骨ほど考えてみれば尻の歯は真っ暗だ。
 眼が聴こえない。
 ここで蹴ってやれば味は聴こえるわけはない。
 耳が暗けりゃそれでいい。
 ぶちぶちのめすめすめめるのゆめの。
 のめされるのめされするとどのいま。

殴り合ってる。
ひたすら殴り合っている。

不意に、
―――――ああ、ああ、マイクテスト、マイクテスト。
テス、テス……七並べ、七並べ……―――
男の声が響く。

一回目の放送である。
しかし、二人は聞かない。
聞いていない。
聞こえていない。

疾。立。蹴。打。拳。蹴。打。打。打。蹴。足。蹴。打。肘。掌。膝。膝。拳。拳。拳。ごつん。打。蹴。足。間。間。離。寄。蹴。受。
スェー。ごじっ。ぐしっ、めきゃっ。打。打。打。「しゃっ」。「ぐむっ」。「ちっ」。打。打。受。「ぬわっ」。足。離。蹴。顔。顎。
拳。鉤打。めちっ。打。めちゃっ。打。どむっ。蹴。ぐぼっ。打。「あがっ」。「えぶっ」。腹。頭。鼻。べちっ。ぬちっ。頭。鼻。鼻。
顎。ぬちゃっ。ごしっ。がつん。「くわっ」。「おきゃあ」。「あきゃあ」。ごりっ。血。汗。汗。疲。離。蹴。打。拳。拳。蹴。足。足。
膝。手。拳。中段。打。下段。脚。腹。上段。頭。蹴。叩。「あぎっ」。
 打。
 打。
 打。
 打。
 拳。
 拳。
 打。
 拳。
 蹴。
 足。
「えしゃあ!」
「おしゃあ!」
 拳。
 受。
 蹴。
 足。
 打。
 打。
 打。
 蹴。
 拳。
 打。

 腹。脚。拳。打。蹴。叩。手。膝。膝。膝。踵。回転。
バックハンドブロー。跳。打。上段。蹴。拳。打。打。打。
「うりゃっ」「てえい」ごしゃっみちっ
打蹴拳足拳拳打膝拳足離寄離蹴間打打打「ちっ」「むん」どちゃっ
蹴気血情怒怒打疾足蹴拳受寄組打打拳組首寄打蹴拳打打打蹴はあ拳ひい足ふう
「えふっ」「くふっ」打打蹴打叩殴殺殺殺殴殴殴殺殺愛殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺
殺殺愛殺殺殺好殺殺殺愛好殺殺殺殺殺殺殺愛殺好殺殺殺殺殺殴殴殴殴蹴蹴打打
拳愛拳打殺愛殴打好好打殴愛殴蹴蹴殴殺殺打打打頭肘膝首下段下段哀就恋女蹴
汗汗蹴苦打打蹴殴殴殴殴殺殺愛打打打蹴拳拳文平打打打独りよ殴殴殴負けるもんですか
悲打打蹴拳悦拳苦独りよ打独りよ打独りよ拳犬犬殴蹴典子打打楽寄打打打悲愛情恋憎
愛好殺殺殺殴愛悲哀心悦夢光汗望喜死殺愛女空雲痛殴痛愛打打打拳蹴情気風悦打夢打
遠樹蹴花悲打打打殺神打蹴汗悦拳拳打拳足打風打蹴仏打蹴拳拳打拳拳打蹴打蹴打蹴打蹴………


突然であった。
二人が止まったのだ。
これまでの激しさが嘘のようであった。

―――ニィッ
日本人、丹波文七が笑った。

―――ニィッ
白人、テリー=ボガードが笑った。

そして構えた。
二人とも構えたのである。

テリーは手を、ぶんと振り上げた。
剣術の大上段。
のようにである。

文七は脇を絞めた。
奇妙なガニ股の姿勢。
脱力。
異様な体勢。

見つめ合っている。
しかしそれも一瞬。
動く。
二人が動く。

――パワー…
――竹宮流…

力が。
ぶつかり合う。

――ゲイザーッ!!
――虎王ッ!!

光が周囲を包んだ。


丹波文七が一人立っている。
何するでもない。
見つめているのだ。
宙を。
ただ見つめているのだ。

足元には骸が一つ。
もう文七は一人だ。

寂寥感。
風が吹いた。

【テリー・ボガード@餓狼伝説 死亡】

【I-7 ハローワーク前 /朝 一日目】

【丹波文七@餓狼伝】
【外見】フレッシュマンスーツ(ボロボロ、血まみれ)
【状態】全身打撲、裂傷多数。
【装備】なし
【道具】基本支給品一式
【目的・方針】俺より強い奴に会いに行く
【備考】
※放送を聞いていません。


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餓えた狼 丹波文七 ハンバーグって言ったのにどうしてスパゲティが出てくるの
餓えた狼 テリー・ボガード GAME OVER


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