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決意の朝に ◆.pKwLKR4oQ



参加者に悲報を知らせる放送が今終わった。
ある者はその知らせに悲しみを抱き、ある者はそこから主催者の内情を推理し、ある者は知らせそのものを聞いていなかった。
そしてここギャルゲ高校のとある教室の中では二人の参加者がその放送を黙って聞いていた。
えんじ色のブレザーとチェック柄のミニスカートが特徴的な制服を着た麻帆良学園女子中等部所属の雪広あやか。
いかにもセーラー服と言わんばかりの同じくえんじ色の制服に身を包んだ11歳の少年のスペードの2。
若干広いその教室にいたのは二人だけだった。
二人は放送が終わってもしばらく黙ったままだった。
それも当然の反応だ。
先の放送で二人とも知り合いが死んだ事を知ったのだから。

「……スペードの2君、そろそろ行きましょうか」
「え、あやかお姉ちゃん。もう大丈夫なの?」
「あ、分かっていたんですか。私の知り合いが呼ばれた事に」
「うん、だってさっきまですごく悲しそうな顔していたからすぐに分かったよ」
「あらあら、私もまだまだ修行が足りませんわね。こんな可愛らしい小さな子供にまで気を遣われてしまうとは」

実際放送であやかのクラスメートである椎名桜子の死が告げられた。
3-Aは1年の頃からクラス替えは無く、自然とクラスメート間の中はすこぶる良好であり、皆親しき間柄である。
特にあやかと桜子は明日菜と共に初等部からの長い付き合いでもあった。
とにかく常に元気で明るく柿崎美砂や釘宮円と一緒にチアリーディング部として誰かを応援している姿がよく見られた。
そういえばギャンブル運も異様に強かったなとあやかは桜子の事を思い出していた。

「確かに桜子さんが死んで悲しいのは事実、ですが……」
「……?」
「たぶん彼女なら……こんな所で立ち止まっている私を励ますような気がしますわ」

それが椎名桜子という人物だとあやかは思っている。
誰かが落ち込んでいたら持ち前の明るさで励ましに行く。
そんな姿が彼女には一番似合っているような気がしたのだ。
今も天国から自分達にエールを送っているのではないか。
あやかはそんな気さえしていた。

「だから、こんな所でじっとなんてしていられません。あ、スペードの2君はもう大丈夫ですか?」
「うん、大丈夫。あ、それと僕の事は縮めて呼んでいいよ」
「じゃあ……スペ君で。ではスペ君行きましょうか」
「うん!」

親友の死を目の当たりにして修羅の道に進んでしまったリゼルクを止める――それがあやかの決意した事だ。
そのためにはリゼルクと会わなければいけないが、残念な事に行き先に当てなど無かった。
だがそれも先程までの話だ。
さっきの放送で社長は島の中央に位置する怪しい洞窟について何か仄めかしていた。
つまり誰か興味を抱いた参加者がそこへ向かう可能性は高く、そこへ集まった参加者を殺そうとリゼルクが向かう可能性は十分あった。

(でもこれは危険な賭け。リゼルク君以外にもあのレイルトレーサーみたいな殺人鬼が来るかもしれない。
 あのような危険人物とはなるべく会わずにリゼルク君に再開したところですわ。

不安がないと言えば嘘になる。
今から向かう場所は恐らく島で今最も危険な場所になり得る場所だ。
しかも自分はスペードの2を守りながらの行動だ。
これで上手くいけば幸運だと言わざるを得ないだろう。

「……桜子さん、あなたのギャンブル運に期待していますわよ」
「ん、今何か言った?」
「いいえ、別に。さあ、急ぎましょう」

あやかは亡き桜子が力を貸してくれる、そんな気がしていた。
だからこそ負けられない。
東に昇る朝日を前にあやかは決意を新たにした。

傍の少年の邪悪な笑みに気付かぬまま。

 ◆

はあ、あやかお姉ちゃんもおめでたいなあ。
死んだ人が力を貸してくれるって、それどこの漫画の話さ。
ま、あやかお姉ちゃんがそう思うのも無理ないか。
とは言うものの、キングハート様も人使いが荒いよ。
大した力もない僕にこんな役割を与えるなんて!
荒事なら他に向いている人はいくらでもいるのに。

自分に出来る範囲で殺し合いを促進させろ、か。

そろそろ本格的に動かないとヤバいよなあ。
キングハート様、怒ると何をするか分からないんだよ。
とりあえず偶然とはいえリゼルク君は殺し合いに乗ったからノルマは一つ達成かな。
いや、あれは偶然の産物だからノーカウントだよね。
となると、あやかお姉ちゃんを扇動して……って、難しそうだな。
これは誰か新しい人を見つけてどうにかしないといけないみたいかな。

それにしてもスペードのクイーンと堀部高氏は死んじゃったんだ。
まあ、僕にはあまり関係ないね。
それほど親しい訳でもなかったし、寧ろ堀部を殺す程の実力者は要注意だよね。
あの人、意外と結構強かったから。
とりあえず今のところは健気な子供を演じていよう。
その方が都合いいや。

それにしてもキングハート様、なんでパンツ一丁姿にして連れてくるんだよ。
おかげで風邪引くかと思ったよ。
この高校に制服が置いてあって助かったよ――女子高生の着るセーラー服だけど。
やっぱりリゼルクを追いかけるって言ったあやかお姉ちゃんを引き留めて、まずは高校の中を探索するべきだよって言ったのは正解だったな。
結局制服以外に目ぼしい物は何もなかったけど。
それにしてもここの制服の取り揃え具合は異常だよ、全高校網羅しているのかと思ったよ。
でも、高校なのにこの制服のサイズに違和感がないのはなんでだろう。

あ、あやかお姉ちゃんが呼んでいる。
じゃあ、あやかお姉ちゃんの気にいるような仕草でも取っておこうかな。
そう、あくまでこれは演技だ。
あやかお姉ちゃんに信頼されるための演技。
そう、ただの演技だよ……そう、演技……
だけど、なんで胸が少し痛いんだろ。
……きっと、気のせいだよ。

僕は主催者の手先として殺し合いを円滑に進めるんだ。
それが僕の決意だ!


【1日目 朝/G-2 ギャルゲ高校前】

【雪広あやか@魔法先生ネギま!(漫画)】
【服装】麻帆良女子中等部制服
【状態】健康
【装備】ハマノツルギ@魔法先生ネギま!
【持ち物】基本支給品一式、マスターボール@ポケモン、拡声器@現実
【思考】
 1:殺し合いには乗らない。
 2:リゼルクを止める。そのために怪しい洞窟へ向かう。
 3:年下の男の子には優しくする。

【スペードの2@七並べ】
【服装】陵桜学園の制服(冬服、小早川ゆたかのもの)@らきすた、青無地のパンツ
【状態】健康、無意識の内にあやかに対して少し罪悪感
【装備】鉈@現実
【持ち物】基本支給品一式、式紙@シャーマンキング
【思考】
 基本:無力な少年の振りをしつつ、自分の出来る範囲で殺し合いを促進させる。
 1:あやかお姉ちゃんと一緒にいる。
 2:リゼルク君を止める(振りをする)。
 3:そろそろ本来の役割(殺し合いの促進)に真剣に取り込もう。


時系列順で読む

Back:ひとり Next:Second――夜明けのスタンスチェンジ

投下順で読む

Back:ひとり Next:その名は101

そんなオチ 雪広あやか ユメノアト
そんなオチ スペードの2 ユメノアト



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