笑う蛇 ◆YOtBuxuP4U
二年後――かえるはかがみんと新婚生活を満喫している。
「やあハニー、今日もいい湿度だね」
「あらダーリン。でもこれじゃあ、洗濯物が乾かないわ」
「いいのだよ。濡れて透けた服というのもまた乙なものだ。それに、服なら今から脱がすのだからね。さあかがみん」
「もう、せっかちなんだから……あーれー」
「あらダーリン。でもこれじゃあ、洗濯物が乾かないわ」
「いいのだよ。濡れて透けた服というのもまた乙なものだ。それに、服なら今から脱がすのだからね。さあかがみん」
「もう、せっかちなんだから……あーれー」
かがみんとかえるは大湿原の奥深くに秘密の隠れ家を作って、そこでふたりきりで愛を育んでいる。かえると人間の恋はいろいろと大変なのだ。
家の一番快適なところにはひとつ、かがみんとかえるの作ったタマゴがあって。二人は産まれてくる子供たちに愛を示しつけるように、昼夜問わずにいちゃいちゃしている。
家の一番快適なところにはひとつ、かがみんとかえるの作ったタマゴがあって。二人は産まれてくる子供たちに愛を示しつけるように、昼夜問わずにいちゃいちゃしている。
「かがみん、かがみん、かがみぃん」
「かえる、かえる、かえる、もっとぉ」
「かえる、かえる、かえる、もっとぉ」
熱のこもった甘い声の合唱。二人を邪魔するものは誰もいない。
ただただ、じめりとした空気を吹き飛ばすように愛し合う、かえるとかがみんという名の夫婦《ベスト・パートナー》がいるだけ、
ただただ、じめりとした空気を吹き飛ばすように愛し合う、かえるとかがみんという名の夫婦《ベスト・パートナー》がいるだけ、
「キシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」
というかえるの妄想が、突然おぞましい金切り声と共に妄想の中に現れた蛇にばりばり、ぼりぼりと食べつくされた。静かで激しい新婚生活の風景も、かがみんもかえるもぐちゃぐちゃになって、蛇のお腹の中に飲み込まれてしまう……
「う、うああああああ!? かがみぃいいぃん!?」
ここまでかえるの妄想。
妄想から抜け出てみると、
妄想から抜け出てみると、
「って、おおおぉ!!? 落ちるぅ!」
かえるはなんと、空中に放り出されている最中だった。
そうだ。
不思議な光に巻き込まれた先に現れた《蛇》から逃げ続け、都市を駆け回ることかなりの時間。《蛇》は建物の中までは入ってこれないだろうと考えて、近くにあったビルに入ったのだ。
そして屋上まで逃げて、一息ついたところで、
そうだ。
不思議な光に巻き込まれた先に現れた《蛇》から逃げ続け、都市を駆け回ることかなりの時間。《蛇》は建物の中までは入ってこれないだろうと考えて、近くにあったビルに入ったのだ。
そして屋上まで逃げて、一息ついたところで、
「あっ。そういえばかがみんとどんな家に暮らそう」
と思いを巡らせてしまった。妄想モードのかえるは、屋上から足を踏み外すまで自分が歩いてる場所に気が付かなかったのである。
ビルは三階建て。小柄な両生類のかえるにとって、このままアスファルトに叩き付けられれば間違いなく死ぬレベルの高さだ。もう以前のように鉄化の種も使えない。
かえる、万事休す――!
と思いを巡らせてしまった。妄想モードのかえるは、屋上から足を踏み外すまで自分が歩いてる場所に気が付かなかったのである。
ビルは三階建て。小柄な両生類のかえるにとって、このままアスファルトに叩き付けられれば間違いなく死ぬレベルの高さだ。もう以前のように鉄化の種も使えない。
かえる、万事休す――!
「ええい、仕方のないやつじゃ」
その時だった。
地に向かって落ちるかえるは、さらなる絶望を両の目で捉えた。かえるの落ちる先のアスファルトで、件の《蛇》が顔をしかめて待っているではないか!
地に向かって落ちるかえるは、さらなる絶望を両の目で捉えた。かえるの落ちる先のアスファルトで、件の《蛇》が顔をしかめて待っているではないか!
「たたた食べられるぅ!? 助けてかがみぃひん! 蛇こわいよぉ!」
「蛇ではないと言っておろうに……んっ!」
「蛇ではないと言っておろうに……んっ!」
空中でなすすべのないかえるに向かって、地面の《蛇》は舌を伸ばした。
「!?」
いや。
もうそれは伸ばすというより、発射するといった表現のほうが正しい。《蛇》、もとい甲賀忍者のひとり地虫十兵衛は、手足の無い身体に長い長い舌と獲物を隠したとんでも人間なのだ。
ただ今回は、かえるに向かってまっすぐに向かってきた彼の舌の先には《何もなく》て……空中を落ちる相手にとても優しく巻き付いて。
落下の勢いを殺しながらゆっくり地面へ下ろすために、秘伝の技は使われたのだった。
もうそれは伸ばすというより、発射するといった表現のほうが正しい。《蛇》、もとい甲賀忍者のひとり地虫十兵衛は、手足の無い身体に長い長い舌と獲物を隠したとんでも人間なのだ。
ただ今回は、かえるに向かってまっすぐに向かってきた彼の舌の先には《何もなく》て……空中を落ちる相手にとても優しく巻き付いて。
落下の勢いを殺しながらゆっくり地面へ下ろすために、秘伝の技は使われたのだった。
「わ、わ……私を食べないのか、おぬし?」
「む?」
「む?」
舌をかえるから離し、しゅるしゅると口内にしまう地虫に、いまだに状況が理解できないかえるが上擦った声で話しかける。
すると地虫は少し首をかしげたあと、得心した様子でこう答えるのであった。
すると地虫は少し首をかしげたあと、得心した様子でこう答えるのであった。
「忍者にとって、かえるは食べ物というより化ける対象じゃ。俺には同胞を喰う趣味は無いのう」
そういって舌を出して笑ってみせるが、地虫十兵衛。
彼の顔立ちはけっこう、なんというか、強面である。
彼の顔立ちはけっこう、なんというか、強面である。
【1日目 午前/C-5 市街地】
【かえる@鳥獣戯画】
【服装】和服
【状態】健康
【装備】なし
【持ち物】基本支給品、こなた×かがみのエロ同人誌、ルーズソックス@カオスロワ
【思考】
0:蛇怖……い?
1:かがみんと再会する
2:かがみんと親密になる
3:かがみんに告白される
4:かがみんといちゃいちゃする
5:かがみんと朝ちゅんする
6:かがみんにプロポーズする
7:かがみんと幸せな家庭を築く。子供は男女一人ずつ
8:子供の結婚をきっかけに子供夫婦と別居、家を売り払い田舎でかがみんと農業を始める
9:孫の名前をかがみんと考える
10:年老いても夫婦二人三脚で穏やかに暮らす
11:かがみんと子供、孫達に見守られながら92歳で老衰で逝く
12:天国でかがみんを見守る
【服装】和服
【状態】健康
【装備】なし
【持ち物】基本支給品、こなた×かがみのエロ同人誌、ルーズソックス@カオスロワ
【思考】
0:蛇怖……い?
1:かがみんと再会する
2:かがみんと親密になる
3:かがみんに告白される
4:かがみんといちゃいちゃする
5:かがみんと朝ちゅんする
6:かがみんにプロポーズする
7:かがみんと幸せな家庭を築く。子供は男女一人ずつ
8:子供の結婚をきっかけに子供夫婦と別居、家を売り払い田舎でかがみんと農業を始める
9:孫の名前をかがみんと考える
10:年老いても夫婦二人三脚で穏やかに暮らす
11:かがみんと子供、孫達に見守られながら92歳で老衰で逝く
12:天国でかがみんを見守る
【地虫十兵衛@バジリスク~甲賀忍法帖~】
【服装】:まるでツチノコ
【状態】:健康?
【装備】:喉に仕込んだ槍の穂、牛車@竹取物語
【持ち物】:不明
【思考】とにかく情報収集。正午にC-5で邪鬼と合流
1:かえるを捕まえて話を聞く。
※ デイパックは邪鬼に預けてあります。
【服装】:まるでツチノコ
【状態】:健康?
【装備】:喉に仕込んだ槍の穂、牛車@竹取物語
【持ち物】:不明
【思考】とにかく情報収集。正午にC-5で邪鬼と合流
1:かえるを捕まえて話を聞く。
※ デイパックは邪鬼に預けてあります。
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