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絶望を希望に変えろ ◆OQfaQnysJI



B-5の平原に、地面をえぐる音が響く。
音の主は、ランキング作成人。彼は壊れたチェーンソーを無理矢理スコップ代わりに使い、穴を掘っていた。
やがて人が収まるほどの穴を二つ掘ると、彼はそこに二つの亡骸を横たえた。
一人は赤根沢玲子、もう一人は6/の魂が宿っていた柊かがみの遺体だ。
気は進まなかったが、6/が来ていた強化服は脱がせて回収していた。
作成人は名簿に、「本郷猛」の名前があったのを確認している。
彼にこの強化服さえ渡せば、バトルロワイアル破壊の切り札となり得る。
故に、これを6/と共に埋葬するわけにはいかなかったのだ。

「終わりました」
「ああ……」

作成人に声をかけられたななこは、短く言葉を返す。二人はそのまま並ぶと、土の下の二人に向かって無言で手を合わせた。

「だいぶ時間を食ってしまいましたね。すぐに出発しましょう。沙枝ちゃんのことも心配……で……」
「サク!」

言葉の途中で、作成人の体がぐらりと揺れる。ななこは慌てて、その体を支えた。

「いや、失礼……。ちょっと疲れてしまったようで……」
「ちょっとどころやないやろ! 顔色、ひどいことになってるやん!」

激しい戦闘による疲労と負傷、さらに仲間を殺され、自らも殺人を犯したことによる精神的消耗。
それだけですでに、作成人はまともに行動できない状態になっていたはずなのだ。
その上、彼は死者の埋葬という心身ともに負担の大きい作業をやってのけた。
その結果、作成人はすでに立っているのがやっとという状態に陥っていたのである。

「こんな何もないところで休むわけにもいかんし……。とりあえず、市街地の方に移動しよう。
 サク、もうちょっとの辛抱やで」
「すいません、ご迷惑をおかけして……」
「謝る必要なんてないわ。助け合うのは仲間として当然のことやろ」

作成人に肩を貸し、ななこはゆっくりと市街地に向かい始めた。


◇ ◇ ◇


しばらく後、市街地に入った二人は手近な民家へと入っていった。
中に誰もいないことを確認すると、ななこは作成人をベッドに横たわらせる。

「ここで少し休んどき」
「すいません……」
「だから、謝らんでええて」

作成人の言葉に微笑を浮かべながら返すと、ななこは近くのいすに腰を下ろす。
程なくして、ベッドの中からは規則正しい寝息が聞こえてきた。

「もう寝たんか。まあ、それだけひどい状態やったってことやろなあ……」

独り言を漏らすと、ななこは座ったばかりのいすから立ち上がる。
どのみち相棒がこの状態では、大きな動きは取れない。
ならば今のうちに、細かい作業を終わらせておこうと考えたのである。

(まずは……着替えを探すか)

同じ部屋にあったタンスを、無造作に開けるななこ。幸い、そこには何着かの服が入っていた。
その中から自分にサイズが合いそうなものを選び、ついでに作成人のために男性用の服も取り出しておく。

(そういえば……服だけやなくて、うち自身もボロボロなんよなあ)

服の状態を確かめつつ、ななこはふと気づく。たしかに今の彼女は、土や血が体のあちこちに付着した状態であった。

(汗もかいとるし、シャワーでも浴びたいところやけど……。そういうわけにもいかんよなあ)

この家に水道が通っているかわからないし、そもそも殺し合いの場で完全に無防備になる入浴など危険すぎる。
自分と長時間離れることになる、作成人に危険が及ぶ可能性だってある。

(タオルを支給品の水で濡らして、体を拭くくらいがせいぜいかなあ……。
 幸い、とは言いたくないけど、死んだ二人の荷物も回収したせいで水には余裕あるし)

家の中を漁ると、タオルはすぐに見つかった。いくら寝ているとはいえ年頃の男性がいる部屋で肌をさらすのも恥ずかしいので、さすがに隣の部屋に移動する。

(まあ、このくらいの距離なら大丈夫やろ。手早く終わらせるに越したことはないけどな)

タオルに水をしみこませると、ななこは手早くあちこちが焦げた服を脱ぎ捨てて下着姿になる。

(けっこう気に入ってたんやけどなあ、この服……。まあ、しゃあないわな)

床に落ちた服を未練がましく見つめるななこであったが、すぐに気持ちを切り替えて体を拭き始める。

(それにしても……これからどうすればええんやろうな、うちら)

タオルの冷たさに顔をしかめつつ、ななこは考える。
まず第一の目標は、はぐれてしまった沙枝を探すことだ。それはいい。
だが首尾よく彼女が見つかったとして、それからどうすればいいというのか。

ななこが最終的に目指すのは、この殺し合いを止めることだ。
だがそのために何をすればいいのか、彼女には具体的な案がない。そして、力もない。
ななこも作成人も、身体能力的には完全な凡人だ。格闘技が出来るわけでもなければ、銃器の扱いに長けているわけでもない。
もちろん、超能力の類も持ち合わせていない。
おまけに、所持している支給品にも恵まれているとは言いがたい。
神罰棍は強力な武器らしいが、重すぎてとても一般人には使いこなせない。
遊戯王カードは強力ではあるが、一度使用すればしばらく使えなくなるため使いどころが難しい。
鉄パイプとなれば、もはや気休めレベルである。
いや、一般人レベルの戦闘なら充分役に立つのだが、先ほどのメイド服の少女のような強者が相手ではあまり役に立つとは思えない。

(あれ……。地味にやばい状況なんやないか、うちら。ここまで無力やと、いつ殺されてもおかしくないレベルやで)

それを自覚したとたん、ななこの顔から一気に冷や汗が吹き出る。

(落ち着け、うち……。たしかにこの場において、戦闘力は重要な要素や。
 せやけど、それが全てやない。たとえ弱くても、うちらに出来ることは必ずあるはずや)

汗を改めて拭き取り、ななこは真新しい服に袖を通す。
多少動きにくい感じはあるが、問題になるようなレベルでもない。
しばらくはこの服で大丈夫だろう。

「さて、戻るか。今のところ間近の危険はないとはいえ、単独行動は控えるに越したことはないからな」

不安を紛らわすようにつぶやくと、ななこはドアノブに手をかける。

「どんなに絶望的な状況になっても、うちは諦めへん。諦めたらあかんねん……」

【B-5 市街地・民家内部/一日目・昼】

【ランキング作成人@パロロワクロスネタ投下スレ】
【服装】クロス(十字架)が大きく描かれた服(ボロボロ)
【状態】全身打撲、疲労(大)、睡眠中
【装備】なし
【道具】基本支給品一式×2、DMカード(聖なるバリア・ミラーフォース(二日目深夜まで使用不能)、
光の護封剣(二日目黎明まで使用不能)、ブラック・マジシャン(二日目午前まで使用不可)、他2枚)@ニコロワ
神罰棍@マイティハート、二式強化服@仮面ライダー 誕生1971
【思考】
 1:誰も死なせたくなかったのに、俺は……


【黒井ななこ@らき☆すた】
【服装】地球連合軍女性士官用制服@機動戦士ガンダムSEED
【状態】健康
【装備】鉄パイプ
【道具】基本支給品一式×2、カラオケ用機材一式@現実
【思考】
 1:殺し合いはあかん。
 2:サクと一緒に行く。玲子の死は自分も背負う。
 3:沙枝を見つける。


【地球連合軍女性士官用制服@機動戦士ガンダムSEED】
作中でマリュー・ラミアスやナタル・バジルールが着用していた、白い軍服。
これと言って特殊な効果はない。


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彼等は誰も守れない ランキング作成人 [[]]
彼等は誰も守れない 黒井ななこ [[]]


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